読書メモ、再開。
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八月の路上に捨てる(伊藤たかみ)
読書感想文。
一年くらい前、芥川賞とったやつです。

八月の路上に捨てる
八月の路上に捨てる
posted with amazlet on 07.02.12
伊藤 たかみ
文藝春秋
売り上げランキング: 81525
おすすめ度の平均: 3.5
3 暴言ダン吉状態ですが…
2 全く分かりません(>_<)
4 なめらかに、コツコツと・・・


ストーリー

敦は二十九歳。
誕生日である明日、離婚届けを提出する。

敦とペアで仕事をしている水城さんは、明日でトラックを降りる。
敦は水城さんに、自分の離婚のいきさつを話すことになる。



まずタイトルの「八月の路上に捨てる」。
何を捨てるのかは本文中に描かれていません。
ご想像あれ、ということでしょうか。

主人公は、ジュースを自動販売機に入れる仕事をしています。
肉体労働です。
先輩(同僚?)である水城さん(女性)も、トラックを荒々しく運転し、男言葉を操り、雄雄しい。

季節は夏。
暑苦しく、汗臭そうです。
でも、物語は淡々と進み、どこか清涼な感じさえします。


☆☆☆

さて、この物語は、「男女のすれ違い」がテーマ(と思います)。

主人公、敦と妻の知恵子の様子を見ていると、本当に些細なことからどんどんすれ違っていってしまって、
「あーあーあー」っていう感じ……。

☆☆☆

例えば、敦は学生の頃から脚本家になるという夢がありました。
自分の夢が叶わなかった知恵子は、「あっちゃんはいつまでも夢を追いかけてよね」といい続けます。

でも敦にはそれがプレッシャーでした。
だったら「もうそんな夢あきらめて、勤めにでも出て欲しい」と言われたかった。
そうしたら「妻に言われたから、俺は泣く泣く夢を諦めたのだ」と言い訳ができるからです。
身勝手だけど、このへん男性心理がよく描かれていると思いました。

☆☆☆

知恵子はその後、念願の編集の仕事につきますが、
人間関係が悪くなり会社をやめてしまいます。
色々あって、精神のバランスを崩してしまうのでした。

敦はそんな知恵子にいらだって、浮気もしますが、
心が知恵子から離れることはなかった。
でも、好きというのともちょっと違う。

光化学スモッグ警報を聞いては、水城さんのからからした笑い声を聞いては、ただ知恵子のことを思い出してしまうのです。

☆☆☆

一方、敦からあれこれ聞きだしている水城さん。
彼女もまた離婚暦がありました。

敦よりも二歳年上で、さばさばした性格の彼女。
はっきりとは書かれていませんが、
敦は彼女のことを信頼し、好意を寄せている様子です。
今までも、彼女には本音で、色々なことを相談してきていたのでした。

ところが最後にどんでん返し。
水城さんも、またオンナだったのでした。

ちゃっかりしっかり、敦の知らないところで「自分だけ幸せに」なっていたのです。
それで敦は、彼女が遠くにいってしまうような、むずがゆいような気持ちになったのでした。

☆☆☆

最後に敦は、「何もかも本気だったのだ」と「意地になって」小石を蹴飛ばします。

敦の生き様は、ひたむきで不器用。

だからどうだというわけじゃなく……
それで幸せだということでもなく……
だた、そういうふうにしか生きられないから生きる。

うだるような八月の暑さの中で、敦が捨てたものを考えてしまう私です。




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感想文読んでたら、
斉藤和義の「蝉」と言う曲を思い出しました。
良い曲なのかは分かりませんが、
取り敢えず記憶に残る曲というか・・、
かなりドライ曲です。
by: ハナ | 2007.02.14 00:44 | URL | edit
こんにちはー。
「蝉」……ちょっとどんな曲か分からないですが……なんとなく雰囲気は伝わってきます。
今度きいてみますー☆
by: はるみん | 2007.02.21 14:06 | URL | edit
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしています。
by: 藍色 | 2010.03.31 15:45 | URL | edit
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | 2011.09.24 16:20 | | edit












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八月の路上に捨てる 伊藤たかみ

三十歳の誕生日に離婚する予定の敦は、自動販売機の補充に回る車内で 同僚の水城さんに結婚生活の顛末を話して聞かせる。 社会のひずみに目...

粋な提案  2010.03.31 15:26
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