読書メモ、再開。
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わたしはここにいる、と呟く。(新津きよみ )
わたしはここにいる、と呟く。
新津 きよみ
徳間書店 (2007/11)
売り上げランキング: 301048
おすすめ度の平均: 5.0
5 鮮やかな心理描写



表紙、かわいい。
題名、スバラシイ。

この本の中には、7つの短篇が収められているが、
どれも、「わたしはここにいる、と呟」いているのだ。
叫んでるんじゃない。


たとえば、「思い出を盗んだ女」というお話。

昔、不倫相手と行った旅先で、彼女は、近くに座っていたカップルのフィルムを拾う。
そして、そのフィルムを、ずっと「宝物のように」持ち続ける。

それは、彼女の不倫相手が、写真を撮りたがらない男だったからだ。
不倫相手は、「写真なんて馬鹿らしい」と否定しながら、
こっそりと家族の写真を持ち歩いている。


「本当は彼と写真が撮りたかった」
「私はサミシイ」
そんな言葉ひとつ使わず、ただ大切にフィルムを持ち続ける。
彼女の気持ちを思うと切ない。


この本に出てくる主人公たちは、30代くらいの女性たちだ。

彼女達は、わたしはここにいる、と叫べない。
なぜなら大人になってしまったから。
分別がついてしまったから。
周りの目を気にしてしまうから。
もう突っ走れないから。

叫べなくなった彼女達は、
それでも、「ここにいる」と言いたくて、小さな声で今日も呟く。
ちゃんと耳を澄まさないと聞こえない。
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