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ラットマン

ラットマン
ラットマン
posted with amazlet at 08.08.27
道尾 秀介
光文社
売り上げランキング: 44180
おすすめ度の平均: 4.5
5 参りました・・・
4 2重、3重の伏線
4 「ラットマン」とは言い得て妙
4 最後まで騙された!
4 ラストですべてを説明



だーまーさーれーたー(再)。

ホントに道尾作品は……最後の1ページまで気が抜けない。
二転、三転、四転、
さっきまで信じていたことが、あっというまに覆される。
それが、天晴れ! というほどウマイので、なんか快感になってしまうのだ。


題名の「ラットマン」とは、有名な心理学者の用語(?)らしい(私は知らなかったけど)。
それは見方によって、ねずみにもオッサンにも見える絵で、
意図的に見方を変えない限り、
ねずみならねずみ、オッサンならオッサンにしか見えないというもの。

この「ラットマン」に物語は象徴されている。
登場人物も読者も、それぞれ独自の目で物事を見、疑い、思い込んでいく。

「お姉ちゃんが死んでも、哀しくなかったんです。
あたし、ちっとも哀しくなかったんです。
それが――いちばん哀しかったんです」(本文より)


これは殺人? 事故? 犯人は……?

何から説明すればいいのだろう。
どんなふうに話せばいいのだろう。

過ちとは何だ。誰がそれを裁けるのだ。
何を願い、どんな代償を払えば、人は過ちを犯さずに生きていけるのか。
もし間違いに足を踏み入れそうになったとき、いったい何を願えば立ち止まれるのか。
過ちと正しさが、そっくり同じ顔をしているのであれば、誰がそれを見分けられるというのだ。

取り戻せないのだろうか。人は、何も取り戻せないのだろうか。(本文より)



そういえばこの本、
各章の最初に、物語中のバンド、Soundownerの歌の詞が出てくる。
それがまた次の物語を暗示しているのだ。
構成も凝ってて、すみずみまで気が配ってあるって感じがする。
これも読者サービスっていうかなぁ。読者のことすごく考えてるなって思う。


難を言えば、物語全体が暗いかな。
でも、レビューつけるとしたら星5つ。
楽しく読んだ。それがいちばん!

論理と感性は相反しない

論理と感性は相反しない
山崎 ナオコーラ
講談社
売り上げランキング: 73196
おすすめ度の平均: 3.0
4 待ってました反骨精神
3 うう〜〜ん・・・
2 箸休めですか?
3 小説として抜けきらないか・・・
1 生焼けのパンケーキのような。



気になるタイトル、表紙のイラスト……、
また山崎ナオコーラさんの本を読んだ。

ちょっと読もうと思ったら、また全部読んじゃった。
3時間くらいで読めたかな。

神田川と矢野という、ふたりの女性の恋愛話がメイン。
なんだけど、途中で小話みたいなのも挟んでる。
こじゃれた構成だ。センスある。

わたしはどちらかといえば、本筋より、小話(人間が出てこない話・芥川・ブエノスアイレス・化石キャンディー・嘘系図)みたいなほうが好きだった。

嘘系図、なんて、地球ができるところから書いている。
アメーバから人間までの、種の起源。(でもめちゃめちゃ。)
どこからこんな発想が……。


「私もいつか、石になる?」
「なるよ、なるよ」

さっき買ってもらったアンモナイトのケースを取り出し、蓋を開けた。
ケースの中には、脱脂綿が敷いてあり、その上に石化した巻貝が載っている。
それをつまみ上げた。
素早く口の中へ放った。
歯に当たってカチカチ鳴る。味はない。
くるくる巻きの溝を、舌先でなぞる。

私がいつか石になったら、誰か舐めてくれるの?(本文より)



ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
新潮社
売り上げランキング: 1035
おすすめ度の平均: 4.5
3 犯人は誰だったのかな?
3 伏線の生かし方は最高だが、人物が弱い
4 初伊坂作品
5 あとからじわじわと
3 軽い作風



最初の3部くらいまでは、はっきし言って面白くない。
しかしそこからが……。読み始めたら止まらない!
わたしのペースだと、5,6,7時間かかったんですけど;


首相殺しの濡れ衣を着せられた青柳は、すばらしい逃走劇をくりひろげる。
「自分はやってない」と強く思い、
さまざまな人に救われながら、ただひたすら走るのだ!

青柳に頼れるものは、「習慣」と「信頼」。

青柳が立ち止まりそうになるとき、支えてくれる思い出は温かい。
だから彼は、逃げ続けられるのだろう。


「Golden slumber fill  your  eyes」
黄金のまどろみ、と頭の中に言葉が浮かぶ。

どうなってんだよこれは、と怒りたくなる思いを少しずつ鎮める。
どうして俺がこんな目に、と声を張り上げたくなるのを我慢する。
拳を強く握る。
「勢いで行動するんじゃなくてさ、もっと、冷静に手順を踏むのが、人間だよ」
昔、自分が発した言葉がまた、甦った。
「手順を踏んで、考える」
手持ちの武器はいったい何があるのだろう。(本文より)



この物語の舞台は仙台。
仙台には、セキュリティ・ポッドなる監視システムが導入されている。
(外観はR2−D2みたいなもの。実際は、ないよ!)
それによって、そこを通る人の映像やら携帯電話の情報やらが、大量に記録されている。
これが、青柳の逃走を大きく阻む。


「おまえはほんとに監視社会が好きだな」
「好きじゃないよ。それとも、ビッグブラザーがあなたを見守っています、みたいな世界のほうがいいってわけ?」
「誰だよ、ビッグブラザー」
「僕はさ、警鐘を鳴らしているんだよ」
「勝手に鳴らせって。あの警鐘を鳴らすのはあなた、だよ」(本文より)



笑い所も泣き所も、しっかりおさえてる、伊坂作品。
なんか映画化しそうだな、これ……。

そしたらぜひ、
樋口晴子ちゃんは竹内結子で。
キルオは森山未来で。
保土ヶ谷は泉谷しげるとか。
主人公の青柳は、だれかかっこいい人でお願いします(笑)。

47都道府県女ひとりで行ってみよう

47都道府県女ひとりで行ってみよう
益田 ミリ
幻冬舎
売り上げランキング: 2153
おすすめ度の平均: 4.5
4 どこを巡るかで・・・
4 気負わないのがいいなぁ〜
5 益田ミリ…全国ツアー!!
4 <脱力系>旅日記
4 確かに「単なる旅エッセイ」ではない



一ヶ月に一回、東京からふらりと出る旅。
すべての都道府県を、じゅんぐりまわって4年間。
その集大成が本書だ。

「注:単なる旅エッセイじゃなりません!」と帯にある。
それは、益田ミリさんの、こんな言葉からも伺える。

ひとり旅をしてから気付いたある事実について考えていた。
それは、「人の旅の話は、あんまり楽しくない」ということだ。
旅をすると、あんなこともあって、あんなものも見て、と色々話したくなるけれど、
よっぽどの話術がないと退屈というか、自慢というか。
47都道府県を旅したからって、調子に乗らないように気をつけないと、と思う。

(本文より)


30代女一人なので、ときどき入りたい店に入れなかったり、
店員さんの目が気になって、したいことができなかったりする。
その土地の名産だからと、キライなものを食べてうう〜っとなったり、
特別興味のない坂本竜馬記念館に大雨の中むかって、「何やってんだ?」とひとり首をかしげていたりする。

わたしも旅に出たら、おんなじことしそうだと思ってなんか笑えた。

この本は、読みたいところから読めるのも魅力的。
わたしも、自分の地元の福島県を最初に読んだ。

夏だから涼しいところ、東北……と思ったらしく、福島には7月に訪れている。
福島といったら会津若松……と。
暑いよ、会津は、盆地なんだから!! 浜のほうにしなよ!! って突っ込みたくなった。

基本的に、益田ミリさんは、細かく下調べをしない。
みんなきっと、自分の地元のページをみたら「もぉ〜っ」ってやきもきしてしまうのではないかしら。


こんな気持ちが恋だった/わたし恋をしている

こんな気持ちが恋だった
益田 ミリ
春陽堂書店
売り上げランキング: 207765
おすすめ度の平均: 5.0
5 即返信しちゃうメールに負けた気分



待ち合わせに行くだけなのに死にそうだ

どうやったら重荷にならずくどけんの

気があうねバカねわたしが乗せ上手

わたしさえOKすれば実る恋

傷つけてくれてサンキューあきらめよう



〔MF文庫 ダ・ヴィンチ〕わたし恋をしている。 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ま 2-1)
益田ミリ
メディアファクトリー
売り上げランキング: 50316
おすすめ度の平均: 5.0
5 恋する乙女の胸のうち



ドキドキしてひらけず件名だけ見てた

あたしになど落ちない男のほうが好き

外見より内面?そんなのうれしくない

愛だけじゃなくって自信ももらってた

しあわせまで願わないけどお元気で




益田ミリのつぶやき川柳。

「わたし、恋をしている」は雑誌ダ・ヴィンチでずっと連載してたやつです。
おなじみの方も多いのでは。



「性格でしか男を落とせないなんてイヤ。
外見でだって勝負に挑んでいきたい」

「カラダが目的? 褒め言葉かと思った」

と語る、益田ミリさんに、かっこいー! と拍手を送りたい気分。


共感部分いっぱいなんですけど……、
でもモテモテの作者にちょっとヤキモチ。
心せまい、わたしって……。


Appendix

プロフィール

Author:はるみん
☆☆☆
なるべく、
「読んだら、書く」ようにしたいなぁ。


読むペースはおそおそです。
別に話題の本も追ってません。

自分のためにやってる、
マイペースブログです。

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